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パラリセレナーデができるまで

珍曲「パラリセレナーデ」の作詞を担当した私。
完成までの様子をドキュメンタリータッチで書き綴ることにしました。

まず事の発端は作曲者である吉田書院(43)氏から「気が向いたら詞をつけてくれんかの」との打診があった。

続きに「面倒ならば自分ででっちあげる」とあったが初聴でサビ?の部分が「チョンチョパラパラ アナタを待ちぼうけ」と浮かんだのでそれを報告した。

すると後日吉田氏から「その部分は『部屋干しなら今 晴れないうちに』と考えていたから似たようなものだ」とオッケーを頂戴した。

だがどう考えてもそれは到底人にものを頼んでいるとは思えないような回答だ。どこから物を言っているんだ?とも思ったが金を出している人間だと気付き多少屈することにした。結局人間はこうやって金の力で押さえ込まれるものなのだな。

まぁそれにあまりにも変な歌とのカップリングは嫌だったので全部自分で仕上げることにした。

それに何が売れるか分からない世の中なので絡んでおくことにした。

大体曲自体がイカれた感じだったので浮かんでくる言葉もかなりイカれた感じだった。

イカれた単語は多数浮かぶがそれを結びつけるのが困難な作業だ。

作詞などということをしたことがなかったので最初はやり方にかなり無駄があった。

しばらくしてストーリーを考えて作詞することを思いついた。
コンセプトではなくストーリーだ。

まず主人公をデッチ上げる。

曲調からして哀愁と刹那さと足指酸っぱさが感じられる。

そう、吉田氏そのものではないか。

昔美術の授業で先生が人物を描くと本人に似ると言っていたが音楽も同様で曲も本人に似るのであろう。

次に主人公の行動を超能力で透視する。曲を聴いてその生態を頭に写しだすのだ。

曲からシーンを想像するのだ。

それを言葉で書き出しそこに情景を醸し出す言葉を付け足す。

直接的な言葉はダメだということに気付く。

言葉だけ与えて勝手に聴いた人の脳の中で繋げてもらうのだ。

主人公を吉田氏と設定したもののそれでは売れないと思いボカす作業に取り掛かった。

大体歌なんて10代、20代ターゲットにしないと売れない。しかも女性。
この曲には1ミリも要素がない。

詞でカバーするしかない。

私は熱を出しながら考えた。

私の脳はCPU同様フル稼働すると発熱する。

失恋ぽい歌にしよう。でも直接的でない感じで。

何となくせつなさが詰まった感じ乙女心をくすぐる感じ。

感じは大体出せたがメロディーに文字を当て嵌めるのが大変だった。

音符を言葉にするのってかなり大変。しかもこんな曲は尚更に・・・

とそんな感じに色々思案しながら作ったのだが結果はあんな感じに。

作り終えた時点ではまだ初音ミクに歌わせるというアイデアはなかったが最終的に歌っているのを聴くと割としっくりきている感じがする。

思っていたよりも良い感じのものが出来たと思う。

聴いてて「何だこりゃ」と思える良いものが。

Posted by on 2007/12/04

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