高田純次
2006/3/16 735円
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セヴンアンドワイ
出たときに気にはなっていたが、滅多に入らないブックオフにたまたま入ったら400円で何冊も売っていた。手に取ってみたら巻頭が精神科医との対談でその最初に「先生はどのくらい本を出されたのですか」「300冊くらいです」「300冊って言うと200冊よりは多いんですよね」このくだりを読んで買うことを即決。
しかしそのまま自転車のカゴに入れ忘れ、翌日(一応ビニール袋に入っていたが)雨の中外に出したままでびしょぬれになった。まあせっかく濡れたので適当でちょうどいいやとそのまま風呂に持って入って読み始めた。
適当な論ではなくて適当であることはどういいのかとか適当であるためにはどうしたらいいのかを解説した本。書いているのは高田純次本人ではなく精神科医の和田秀樹という人、あるいはインタビュー起こしのライターである。世の中に喋ったことを書き起こした本があることは知っているが、ここではインタビューも四章のうちの最終章だけ。これで高田純次が著者ってのはちょっとない。まあ私の感覚ではということだが最も気になったのはそこ。
本人が書いてないとなれば、要所要所でヘンなことを書くとかボケが入っていて笑えることもなく、それくらい立ち読みすれば分かるかもしれないが、私には期待外れ。
部分的には自分の考えていることと同じような内容もあり、それでいいんだな、と安心するという面もあるにはあった。たとえば「死ぬまでスケベでいたいんだ」というところ。スケベな人は見た目が若いということが書いてあって、私も比較的トシの割には若く見えると言われたことがあり、もしかしたらそのへんが関係あるのではと思ったりした。つまり全然自覚がなかったが自分はスケベなのではなかろうか、と思ったりした。それ以外にも「人間は多面性がある」とか「人は思ったほど他人のことを気にしていない」なんかは普段考えていることとマッチしてはいた。
しかし、高田純次についての論としても、なんでもかんでも正当化および誉める書き方しかしていないのは面白くない。そもそも何を目的としてこの本が語っているのかがよく分からない。「適当」がいいのは人間関係をスムーズにするためにいいのか長生きするためにいいのか自分の精神衛生上いいのか、そういうのがはっきり分からず、各話題によってコロコロ変わる感じがするので、「ただいいって言われてもねえ」とセールスマンと話しているような気分になる。全体的にあんまり肩肘はらずに生きていきましょうよ、って話は分からなくもないが、あまりにも予定調和で発見がない。
Posted by shoin45 on 2010/03/06
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