4月末ぎりぎりに滑り込み発売した第一弾書籍「Rainy Day」、初版500部刷ったが、半月経ってやっと20部売れた。
200部でもまして20万部でもない。20部である。
「不評発売中」と言うのは、思ったほど売れてもいないのに「好評発売中」と言ったり書いたりする世の中の習慣がいちいち気になっていたから書いてみただけで、何も宣伝していない割りにはそんなに悪くない。半月で20部がそのまんまのペースでずっと継続すれば1年で初版500部はほぼ売り切ることになる。
しかし、当たり前だが最初の20部はほぼ知り合いが買ってくれたケースばかりである。知り合いが雑誌を買うみたいに毎月同じ本を買ってくれるはずもなく、今後は新たな読者が毎月40人も出てくるというのは、ちょっと想像しにくい。
もちろんたまたまあゆ(浜崎あゆみ)が「Rainy Day 読みました」とでも言ってくれれば、500部くらい1日で完売するであろう。劇団ひとりが面白いと言ってくれてもいい。そういうことが起こる可能性もゼロではないが、そんなことがあるくらいなら今頃宝くじが三本くらい当たって大金持ちになっているだろう。
あるいは著者の特に若い時期の不遇に立ち向かうくだりに対して「ホームレス中学生に次いで感動的」とか「教育効果バツグン」みたいな触れ込みで売るという手を考えてくれた人もいる。確かに手ではある。手ではあるが、なんか割り切れないものがある。私がそんなこと感じてないからである。確かに素直な人は著者の逆境に立ち向かう姿に感動するのかもしれないが、感動した人がいたら感動した人が書かないと説得力がない。「そんな綺麗ごとを言ってる場合じゃないんだ。ともかく売れなきゃ誰も読まないんだ」と私の中の商人(そんなものいるのか?)が言いもするが「なんでそんなことして売らなきゃいけない?」と私の中の殿様(これはいる!しかもバカ殿、なんつて)が言う。
まあ著者にはタイミングが悪いと売れるものも売れなくなると言われたが、「思ってもない宣伝文句」を書くのはもう少し切羽詰ってからにする。しばらくは思っているあるいは事実に基づく宣伝文句にとどめる。