前回Amazonはネット販売ビックネームだけあってさすがだし、書籍販売については取次を通さないなど独自の取り組みをしているという話を書いた。
まあしかし大体において私が何かを誉めるということは、それに引き続いてけなすための前振りだったりする。持ち上げておいて落とすみたいな。世の中危険がいっぱい。逆もあって、最初にけなすということは、それにもかかわらず誉めるための前振りだったりもする。ならば最初の方だけ読んで、じゃ誉めるのかとかけなすのかとか考えたりもするかもしれないが、例外というものは多々あって、誉めて誉めっぱなしのこともあり、けなしてそんまんまのこともある。つまり全部の組み合わせがあるので、全部終わってみないとどういう話になるかは分からない。ただ私の話とは大体が誉めたりけなしたり、もっと言ってしまうと好き嫌いを述べるだけである。表現が少しマシになっているだけで子供の作文と変わりない。
Amazonのすごいところは大体みんな知ってるからいいよね。前回書かなかったことでも購買履歴データに基づくお勧め商品の表示なんかはもはや物販サイトでは必ず見られる機能ではあるが、たぶんそのデータ管理とかは卓越したものがある、のだろうと推測する。また売れ行きが変わると変わって行くのだろうが、昨日今日なんかは「Rainy Day」を買った人へのお勧め商品として、歯ブラシの替えブラシが表示されていて、たぶん「Rainy Day」を買った人がたまたま歯ブラシを買ったのだろうが、システムは機械的なものだから「Rainy Day」と歯ブラシの購買層が近いと見なしている。優れてとんちんかんで面白いじゃないか。
今回使ってみてさすがAmazonだなと感心することも結構あったが、もちろん使ってみて気に入らないところもある。大体がインディー業者のひがみとか逆ギレみたいなもんだが、世の中ひがまない聖人みたいなやつなんてそんなにいない。大体ケチつけなんてひがみから始まるもので、結果的に生産的な話になれば動機はひがみでも逆ギレでも大して問題なかろう。
Amazonのダメなところは(といきなり分かりやす過ぎるが)大きく言ってふたつある。ひとつは全体をシステマティックに運営しているために、*細かい点で融通がきかない*こと。もうひとつは*使用料とかが高過ぎ*て、商品点数の少ないインディー業者が使ったらまず間違いなく利益が出ないこと、である。
購買者に対してはきわめて親切なAmazonだが、販売者側の*システムが今いち*なのはどうなんか。考えてみれは特にAmazonに限ったことではなく、ネットサイトでシステムが今いちなことは多い。大体使いにくいというのはひとつにはこちらが知識がないということもあって、私なんかで言えば仕事でもずっと技術系というのをいいことに販売のイロハみたいなことも分かっておらず、「納品書ってなんだっけ」、「請求書ってなんだっけ」みたいな感じだったのもつまづいた原因としてはある。確かにある。
ただし、老人を始めとして世の中で、ネットが使いづらいとかとっつきにくいとかいう印象を与えている原因の大きなものはシステムのインターフェースが悪いということにも増して*手順に抜け*があったり、*ヘルプやマニュアルと画面が違う*ことである。Amazonでも細かいことでまずいと感じたことはもう忘れたが、忘れないくらいでかいことでは、商品情報登録の*プレビューの画面がない*ため、反映してみないと商品ページがどんなイメージになるのか分からないことと商品情報を一度変更したら*反映するまでに2~3日かかる*こと。この2つが相互に関連して登録している側のストレスがたまることは想像できるであろう。システムとしては変更を即時反映することなんか簡単なので、登録に時間がかかるのはおかしな内容(個人情報や誹謗中傷など問題のある内容を含むもの)を事前チェックするためであろう。そのことはヘンな内容を登録するやつがいるから仕方ないかもしれないが、サイトがでかい故の融通のきかなさとも言える。
利用料が高いことは利益最大化の観点からは当たり前と言えば当たり前だが、まあねえ。利用料が年間9,000円かかり、仕入れ価格が60%である。まあ年会費は何点登録しても定額だから初期投資だけではある。しかし商品が1点しかないので…。初期投資ということについては例えば図書コード(ISBN)も10個でいくらなので似たようなことにはなる。Amazonの倉庫までの送料はこちら持ちなので、1,500円の値段のものを売ると大体入って来るのは半額くらい。ここでももちろん数がものを言う。送料というのはまとめて送れば1冊当たりは割安になるという話。
でかい会社とかならともかく、うちの場合Amazonと直販の違いは次のようなものである。Amazonから納入依頼が来たらその冊数分まずCDを手元のパソコンで焼きCD袋に入れて本に貼る。それからAmazonのチェックは厳しいらしいので、雨よけのPPとかクラフトパックとかいうビニール袋みたいなものに入れてから新聞紙でくるむ。送料がなるべく安くなるようにしてAmazonに送る。そうすると注文があったらAmazonは倉庫から本をピッキングして箱詰めしてお客さんに送るという流れになる。
うちに直接注文が来たらどうなるか。まずCDを手元のパソコンで焼きCD袋に入れて本にはさむ。著者のカード希望なら著者のカードを入れる。私のカード希望だったらパソコンのプリンタでカードを刷ってペンでメッセージを書いて本に入れる。それから雨よけのPPとかいうビニール袋みたいなものに入れて、でも新聞紙でくるまない。見た目が悪いからである。封筒に入れて直接お客さんにお送りする。
違いはうちから送るとき新聞紙にくるむかどうか、Amazonの倉庫にいったん送付されてそれがまたお客さんのところに送付されるかどうか(送料が2度かかるか)。あと、直販のときに入れるカードをAmazon分には入れない。その3点である。実はヤフーショッピングとかオークションについては、書いていいのかどうか知らないが著者の元から同じような流れでお客さんに送付される。物流(!)としてはそうで、また商流(!)もそれぞれで違う。1種類の商品なのになんだか世の中複雑だな。
台所事情に近いものを書いてしまったが、まあ世間話として面白いのではないかということで、気軽に読み飛ばしていただければ。
宣伝について言えば、Amazonはエラいのでまあそちらはそちらで利用する。ただ、商品情報は変化して行くものではないので、このサイトなんかで追加して雑談を書いて盛り上げようかと。Amazonとかmixiとかには読者のレビューなんかを書く場所はあるので、毀誉褒貶書いて盛り上げていただければと思う次第。
販売については、著者カードをつけるので当サイトを利用していただければ、もうこれは助かるという話。お客さんからみたらカードが使えるとか手数料がかからないとかいう理由でAmazonを選ぶというのももちろん分かる。そりゃそうである。著者には「口座がゆうちょと三井住友しかないのは信じられない」、「出版者として最低限のことをやっていない」と文句を言われた。その意味が分かってなるほどと思ったので、少なくともジャパンネット銀行とイーバンク銀行には登録をしようと今進めているところ。